がん血管内治療は「アブスコパル効果」の導火線になる

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「アブスコパル効果はがん放射線治療で報告された現象ですが、一般的な放射線治療での出現は低いとされています。がん情報を得た樹状細胞がその情報をT細胞に伝えても、T細胞が働かなかったり、放射線治療によるダメージでT細胞が弱るからです。その点、ハイパーサーミア療法はT細胞を傷つけて機能低下させることはなく、むしろ体温上昇によりリンパ球が活発化して、細胞障害性T細胞や樹状細胞の動きを活発にするのです」(堀院長)

 がん治療に携わり39年、ハイパーサーミア療法をがん患者に施して20年の島袋院長もその効果を実感しているという。

「私はがん治療において活性酸素の低減と、がん患者の免疫細胞ががんの名札(抗原)認識力を高める必要があると考えています。末梢の血流循環を改善して体温を上げるハイパーサーミア療法は、がん患者の免疫力や抗がん剤治療の効果を上げるだけでなく、免疫細胞のがん認識能力を高めます。また、がん血管内治療を行いハイパーサーミアを継続する患者さんは日常生活動作が向上し、アブスコパル効果が見られます。がん血管内治療はアブスコパル効果の導火線となり得ると感じています」

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