(4)リスクは「ある」「なし」でなく「量」で考える…いい加減な情報にだまされない
「いい加減な風説にだまされないためには、食品のリスクを回避する簡単な方法である『量』の概念をしっかり持つことです。添加物に限らず食塩のような化学物質でさえ、量が過ぎればすべてリスク要因になります。添加物を考えるとき、入っているかいないかではなく、その量が問題です。量が少なければ問題ないことは野菜の発がん物質ですでにお話ししました。そして市販の加工食品で現在使用されている添加物は確実に安全な量しか使用されていません。つまり、ある、なしにのみこだわり、量を語らない人はリスクの本質を理解していない人です」
なお、「超一流の科学雑誌に掲載された、という情報もうのみにしてはいけない」と長村教授は言う。
「そもそも科学的根拠のある事実とは、同様の試験が何度も行われ、結果がいつも同じという事実の蓄積により得られるのであって、超一流の科学雑誌でニュースになるような研究はなおのこと、それが本当か追試してみようというきっかけにはなっても、それだけで事実とは言えません。まして食品を摂取するのは人間です。この良し悪しを判断するには科学的リテラシーの高さが要求されます。『危ない』という情報にすぐに飛びつかないことです」 =おわり