在宅を選んだ92歳女性「ゆっくりだけどいろんなことを楽しみながらやってます」
「それはいいですね。最近、血圧は測ってますか?」(私)
「普段は130くらいです」(息子)
「助かります。体調で変わったことはありませんか?」(私)
「特にはないですね」(息子)
「足のしびれがあるんですけど、受診するなら何科でしょうか?」(患者)
「神経内科がよいでしょうね。おそらく末梢神経障害かと思われます。しびれたり、布が一枚かかったような感覚になることが多いですね。完治は難しいですが、ビタミン剤などで改善することもあります。基本的には、うまく付き合っていくことが大切になります」(私)
「そうですか。わかりました。まあ、年のせいですね(笑)」(患者)
病気を受け入れながらも、趣味や日常の楽しみを大切にし、前向きに日々を過ごすこの患者さんの姿は、まさに人生の締めくくりとして理想的な在り方のように思えます。こうした穏やかな療養生活を実現できるのも、在宅医療という選択があってこそだと、改めて感じるのです。