(3)画期的! 痩せる糖尿病治療薬「GLP-1受容体作動薬」の効果
当初は医師から、てんぷらやとんかつなどの揚げ物、果物、酒を控える、水分摂取等の指導を受けていましたが、食通のYさんは逸脱することもしばしばだったそうです。
「食べ過ぎや薬の飲み忘れが続くとすぐに血糖値が上がっていましたが、何年か前に新しい薬を処方してもらってからは、厳しい食事制限をしなくても安定するようになりました」
Yさんが言う新しい薬とは、最近、臨床現場で注目されているGLP-1受容体作動薬(以下GLP-1)という薬です。
糖尿病をはじめとする生活習慣病治療に詳しい工藤孝文・そのだ内科糖尿病・甲状腺クリニック副院長は、GLP-1についてこう説明します。
「2型糖尿病治療薬の中でも画期的な薬です。糖尿病の患者さんの中には、つい食べ過ぎてしまい血糖値のコントロールや減量ができない方もいます。この薬は血糖値を下げると同時に食欲抑制効果があるため、肥満予防にもなるのです。実際、処方した患者さんは半年ほどで血糖値の改善や内臓脂肪の減少が見られ、寛解状態になる方も多くみられます」