(3)注目されてるビフィズス菌の効用…免疫の暴走を抑えるカギ
国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」の國澤純副所長は、腸は免疫細胞の教育を行っている場所だと話す。
とくに近年注目されているのは、免疫の暴走抑制機能だ。
「免疫細胞は、腸の中をぐるぐる回りながら教育を受けています。たとえば花粉症は本来“敵”ではない花粉を攻撃するためにおこりますが、腸内フローラが整っていると、腸で免疫細胞が『あんまり花粉に反応したらあかんよ』という教育をしっかり受けられます。教育を受けた免疫細胞はその後、体中を回りますが、鼻にいるときに花粉が入ってくると、『これあんまり反応したらあかんやつ』と思い出し、花粉症を抑えます。腸内環境が悪いとその教育が行き届かなくなります」
腸内フローラを整え、免疫の暴走を抑制するためにも、腸内のビフィズス菌を増やした方がいいということだ。
肌のシワやほうれい線なども、実は免疫が関わっているという。免疫が暴走して肌の細胞にダメージを与えると、コラーゲンが作れなくなってシワが深くなる。
そうした免疫システムを維持するために、短鎖脂肪酸は重要な働きをしている。働きのひとつは、腸のエネルギーになることだ。