著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

倍賞千恵子さんは84歳で肺がん手術…適度な運動が術後の回復早める

公開日: 更新日:

 倍賞さんには私も何度かお目にかかったことがあり、とても聡明でヘルスリテラシーが高い方だという印象です。健康にはとても気をつけていらっしゃり、水泳や散歩が日課で、歯磨きしながらスクワットを120回もされるそうです。歯ブラシを手に持つと、自然と膝が曲がるほど体が覚えているといいますから毎日の心掛けがすばらしいと思います。

 米メイヨークリニックの研究で、週1回以上筋トレをする人は、まったくしない人に比べてがん死亡リスクが33%低下。また、東北大の研究では、週30~60分の筋トレが総死亡や心筋梗塞脳卒中、がんについてのリスクを最も低下させることなどが分かっているのです。

 なぜ筋トレががん予防につながるのか詳しいことは分かりませんが、ヒントは生理活性物質のマイオカインにあると考えられています。これは筋肉が収縮するときに分泌される物質で、数十種類が見つかっていて、その中には免疫力や抗がん作用に関係するものもあるのです。

 倍賞さんのように適度な運動を日課にされていると、当然、マイオカインの分泌も十分で、術後の後遺症も軽く、回復も早くなります。ぜひ読者の皆さんも、倍賞さんを見習って適度な運動を日課にされるとよいでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方