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栗原毅栗原クリニック東京・日本橋院長

栗原クリニック東京・日本橋院長。東京女子医科大学教授、慶応義塾大学大学院教授を歴任、2008年から現職。「血液サラサラ」の提唱者のひとりで、著書に「決定版!内臓脂肪を落とす名医のワザ」(宝島社)、「1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法」(日本文芸社)などがある。

「脂肪肝こそ万病のもと」と確信した理由…虚血性心疾患や糖尿病の急増がヒントに

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 そこで、1988年度に健康診断を受けた人のうち、脂肪肝の人551人、非脂肪肝の人1938人を対象に、1993年までの5年間、半年ごとの経過を追ってみました。

 その結果を解析したところ、脂肪肝の人が狭心症にかかる頻度は、1.8倍、心筋梗塞に到っては4.9倍と虚血性心疾患の頻度が上がることが判明したのです。

 同時に、脂肪肝のある人は糖尿病、高血圧、高中性脂肪血症、低HDL(善玉)コレステロール血症などの合併症を引き起こす頻度がかなり高いことが判明。この事実から私は、脂肪肝が動脈硬化の危険因子になるのでは、と確信を持ち始めました。

 さて、そのメカニズムは? 脂肪肝になると、肝臓からあふれ出した中性脂肪が血液中へ流出し、「血液ドロドロ」の状態になり動脈硬化のリスクを高めてしまうのです。心臓の血管において動脈硬化が進めば、心筋梗塞や狭心症のリスクが高まり、脳の血管において動脈硬化が進めば、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血のリスクも高まります。

 また、血液がドロドロ状態になると、脳の細い血管の血流が阻害され、酸素や栄養が届きにくくなり、なんと、認知症の発症につながりやすくなるのでは、という研究も行われています。

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