「脂肪肝こそ万病のもと」と確信した理由…虚血性心疾患や糖尿病の急増がヒントに
ちょうどその頃、東京女子医科大学で定期健診に携わっていた私は、脂肪肝と診断される方が予想以上に多いことに驚きました。また、当時いわれていたような肥満やアルコールの飲み過ぎだけが脂肪肝の原因ではなさそうなこと、そして、脂肪肝と診断された方々でその後、狭心症や心筋梗塞などにかかる人が多いという印象を持っていました。この時代には、脂肪肝を問題視する医師などいませんでしたが、私は脂肪肝がいろいろな病気の危険因子になりうるのではないかと考え始めました。
そこでまず、1987年に東京女子医科大学で定期健診を受けた約6000人を対象に実態調査を行ってみたところ、なんと21.5%の人たちが脂肪肝にかかっていることがわかったのです。さらに、脂肪肝の原因が理解できない「原因不明な脂肪肝」例が多いことも初めて知ることになります。アンケート調査から日常的に果物を多く取っている方に当てはまることが判明。さらに、ラットやウサギを用いた実験から糖質の中でも吸収されやすい果糖がどうも“犯人”らしいことを突き止めたのです。
■脳卒中や大腸・胃・膵臓・乳がんの危険因子にも


















