遺伝子検査も受けて胸の全摘出を選択…らりるRIEさん乳がんとの闘い

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胸の再建はインプラントに決めた

 同じ年の12月には胸の再建手術を行いました。最初はインプラント、いわゆるシリコーンを入れるのではなく、自分のお腹や太ももの脂肪を胸に移植すると決めていたんです。インプラントだと10年くらいが“寿命”で、そのたびに手術しなければならないのですが、自家組織を使うと1回の手術で済むのです。

 いずれにしても、胸に脂肪を入れるスペースをつくるため、皮膚拡張器を入れてもらいました。そうしないと左胸の皮膚が体に馴染んで平らになってしまうからです。

 皮膚を拡張する約半年、考える期間があり、先生から「今後、出産の可能性が少しでもあるならお腹は切らないほうがいいから、おすすめしません」と言われました。ただ、太ももから取る方法だと、「傷はこのくらい残ります」と、先生から見せていただいた写真の自家組織を移植された女性は、縫い傷の痕が結構目立っていて……。お尻に近い部分かと思っていたら、割と膝に近いあたりまで切る感じで、「少しだけ膝上のスカートだと見えそう」と私には思えました。

 その2つの理由ですごく悩み、結局はインプラントに決めたのです。12月24日に入院し、25日に手術。切除する前に元の胸のサイズを測っていただいて、本当に元通りになった感じでした。

 今、違和感はまったくありません。触り心地は右胸よりもインプラントの左の方が柔らかい感じかな(笑)。自家組織の場合は温かみのあるオッパイになるらしいですが、シリコーンだと確かに冷たい。でも、普通に生活していくと自分の体温で温まっていったらしく、冷たく感じなくなりました。「全然いいじゃん」というのが感想です。

 全摘出した当時、母親は「ああ、本当になくなっちゃったのね」と悲しいリアクションをしていましたけど、私は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」タイプの性格だし、シリコーンも冷たくなくなっているので、今となってはオッパイを取ったことを忘れているんですよ(笑)。

 皮だけ残すのが全摘出なので、今はまだ乳頭をつくってもらってなくて、左胸が肌だけの状態です。乳頭はオーダーメードでつくってもらおうと思っています。シリコーン製で専用のノリで貼る、取り外し式の乳頭があるんです。

 私はタレントですから、「女性の乳がんについてできることがあれば」と以前から先生方に伝えていました。乳がんの手術後、カウンセラーの先生から「りえさんのお話を載せませんか」と声をかけていただき、がん研究会の冊子に今回の経緯を書かせてもらいました。

 近年、比較的若い人でも乳がんが増えている印象です。初期で見つけるためには異常がないうちから検査するしかないんです。今の制度だと国から補助金が出て、マンモグラフィーの検査を安くできるのは40歳かららしく、いわゆるAYA世代で乳がん検査を受けている方は少ないと思うんです。私もまったく受けたことがなかったですし……。

 自分で胸を触って「しこりがある」と気づいた時には、がんが進行しているケースがある。私みたいに非浸潤性の時に偶然乳がんが見つかるなんて少ないですよね。ですから、AYA世代でも気軽に検査できる環境を国につくってほしいし、若い女性には乳がん検査を身近に感じてほしいです。

 私自身、健康であること、働けることのありがたさを学び、今は懸命に働いています。じつは爬虫類を7匹飼っていて、おいしいものを食べさせるために頑張って働くしかなくて(笑)。イグアナ2匹とトカゲが5匹。その他にもいろいろいるペットのために、今は北関東の自然の多いところに住んでいます。

 雄のイグアナが私を大好きらしく、お風呂に入ろうとするとついてきます。そして、私が用意したイグアナ用のたらいのお湯に漬かっています。私の術後の胸を見ているのは、そのイグアナだけか(笑)。結構、幸せです。 (聞き手=松野大介)

▽らりる RIE(らりるりえ) 1984年8月、熊本県出身。日本大学芸術学部卒業後、俳優活動を経てモノマネ芸人として活動。滝沢カレンの顔マネで話題になる。YouTubeチャンネル「ブリッヒー!News Channel」出演中。

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