高齢者はガムを噛め? 健康寿命を延ばし認知や身体機能にも好影響
オーラルフレイルの人は、2年後のフレイル・サルコペニアのリスクが2倍以上であり、4年後の要介護・死亡リスクが2倍以上であることも報告されている。口腔機能のトレーニングとしてガム噛み習慣の健康効果は明らかだ。噛む力が強いと嚥下反射(無意識に食べ物が気管に入らないようにする力)が強くなるなどガムを噛むメリットは大きい。
■重度の歯周病の人は要注意
一方で、ガムを噛みすぎることによるデメリットも存在する。
「ガムを噛んでも歯同士の接触はほとんどないため噛むことによる歯の摩耗はほとんど起こりません。ただし、硬い食べ物を食べたときに痛みがあったり、歯ブラシで歯ぐきから出血するような重度の歯周病の人はとくに注意が必要です。歯を支える歯槽骨が歯周病菌によってダメージを受けていて、ガムを噛むことによってそのたびに歯が動いてしまう恐れがあります。歯周病の歯が動くと、歯周病菌を歯肉の奥まで進行させて歯茎の炎症を増悪させたりします」
歯周病は日本人の成人の8割が罹患している国民病。40歳以上の人に多く、男性よりも女性の方がかかりやすいことが知られている。


















