高齢者はガムを噛め? 健康寿命を延ばし認知や身体機能にも好影響

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歯周病菌のなかには女性ホルモンを好み、その影響下で活動が活発になる病原菌が存在するからです。そのため、女性ホルモンの分泌が大きく変化する妊娠、出産期は注意が必要です。また、女性は男性に比べて唾液量が少ないため歯周病になりやすいことが知られています」

 更年期を迎える40代半ばから50代にかけては女性ホルモンが大幅に減少する。ならば、それ以降は歯周病リスクが低下しそうだが、そうではないという。

「体の中では絶えず古い骨を壊して新しい骨をつくる骨代謝が行われています。女性ホルモンには骨を壊す働きを抑える力があり、その力が弱まると骨がどんどん壊されて骨密度が低下する。更年期以降の女性が骨粗しょう症になりやすいのはこのためです。骨密度が低下すれば当然歯を支える歯槽骨がもろくなり、歯周病になりやすいうえ、重症化しやすくなるのです。また歯周病があると骨粗しょう症を進行させやすくなります」

 ガムに限らず健康のための行為はメリットとデメリットを両てんびんにかけて、メリットが大きいと判断したときにのみ行うことが大切だ。

 ガムはオーラルフレイル予防に有効だが、基本中の基本は、日常の食事で時間をかけてよく噛んで咀嚼することであることを忘れてはいけない。一口30回などといわれているが、食事中によく噛むことは、肥満防止や消化器の負担抑制効果もある。虫歯や歯肉炎の予防効果もある。

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