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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

“手術しない選択”で重要になるセカンドオピニオン…4割が「説明なし」

公開日: 更新日:

 セカンドオピニオンが効果を発揮するのは、必ずしも手術しなくてもいいがんです。

 その1つが食道がんで、手術では食道と胃の一部を切除し、残った胃を持ち上げて食道を再建。大がかりな手術で合併症が起こりやすい。胃がんの手術後と同じで食べる量が減り、体重がかなり減少するほか、胃酸が逆流しやすく、逆流性食道炎にもなりやすい。手術で声帯を動かす神経にダメージが残ると、声がかすれやすくなります。

 QOLがかなり損なわれるため、食道を温存する治療が検討されてしかるべきでしょう。それが抗がん剤と放射線を併用する化学放射線療法で、これなら食道の温存が可能です。治療後は放射線による食道の炎症で食事がかなりつらいですが、次第によくなります。

 前立腺がんはがんの中では穏やかなタイプが多く、治療せず経過観察で済ます監視療法がガイドラインに明記されています。残りの余命と悪性度をてんびんにかけ、治療をせずともがんが悪くなる前に寿命をまっとうできそうなら、監視療法でよいでしょう。ところが、外科医の説明通りに手術を受けると、術後の後遺症で尿漏れやEDなどに苦しめられます。女性の子宮頚がんもそうです。世界的には放射線が主流なのに、日本は手術が基本になっています。

 私の外来には、主治医の診察と並行して、私の診察を受けに来られる方も少なくありません。こうした患者さんのように告知医師1人を主治医と決める必要はないと思います。セカンドオピニオンは患者さんの権利ですから、主治医の説明に納得できなければ、セカンドオピニオンを求めるべきです。

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