心機能を回復させる5つの遺伝子が「心不全パンデミック」の救いになる可能性
その5つの遺伝子とは、Hgf、Igf1、Pdgfb、Cxcl12、Tgfb1で、それぞれ、①組織の修復を促して心筋細胞が死ぬのを防ぐ、②細胞の生存をサポートして心筋の肥大や線維化を抑える、③新しい微小血管を作って血流を再確保する、④幹細胞や修復に必要な細胞を病変部に呼び寄せる、⑤組織の適切な修復やコントロールに関わるといった働きがあります。
さらに研究チームは、mRNAの技術を用いてこれら5つの遺伝子の働きを体内で補う薬剤を開発し、直径数十ナノメートルのカプセルで包んだうえで、心筋梗塞を起こして1週間後のマウスの心筋に投与しました。その結果、心臓の機能が改善し、投与しなかったマウスに比べて生存率も高かったといいます。
5つの遺伝子を組み合わせ、まとめて心臓に届けることで、心筋梗塞後に低下した心機能を回復させることができる可能性が見えてきたのです。同研究チームは、「複数のmRNAを組み合わせることで、心筋梗塞後の心不全のような複雑な病態に対応する新しい治療の土台となる成果で、今後、心疾患に対する新しい核酸医薬や再生治療の実現につながることが期待される」と述べています。


















