(4)夜、脳はなぜ眠くなるのか…「眠気の正体」という最後の謎
オレキシンを作る神経細胞が失われると、ナルコレプシーという病気が起こる。患者は日中、突然眠り込んでしまうことがある。これは、脳が目覚めた状態を維持する仕組みが、睡眠制御において重要であることを示している。
オレキシンの発見で、体内時計と睡眠圧という枠組みが否定されたわけではない。しかし、それらは睡眠を理解するための重要な“地図”であり、「なぜ眠気が生じるのか」という根本的なメカニズムについては、まだ解明すべき点が残されているという。
夜になると眠くなる。それは単なる疲労の結果ではない。脳内時計が時刻を読み取り、睡眠圧が一日の活動による変化を反映し、さらに覚醒を支える神経回路とのバランスによって、私たちは眠りに導かれている。
科学者たちは今、その先にある「眠気という感覚の正体」という大きな謎に挑んでいる。
睡眠は、単なる休息でなく、生命が自らを維持するために進化させた、最も精密な脳の制御システムだと考えられているのである。 =つづく



















