米国では早期介入を承認も…TAVIの適応拡大はまだ慎重に考えるべき
ほかにも、国内外でTAVI生体弁留置後の10年にわたる追跡調査が行われ、おおむね、生体弁の開き具合や血流指標は安定しており、再治療を必要とするような構造的弁劣化の発生率は許容範囲内だったと報告されています。TAVIで使われる人工弁の長期的な耐久性についてのデータは徐々に蓄積されつつあるといえます。
■10年を超える長期データはまだ限られている
こうした研究や調査を背景に、今後はTAVIの適応がますます広がっていくと予想されます。日本の弁膜症治療ガイドラインではTAVIの適応に明確な年齢基準はありませんが、目安として80歳以上はTAVIが第1選択で、75歳以上も専門チームの総合評価により適応となります。75歳未満は外科手術、75歳未満でも外科手術のリスクが高い場合には対象になるという方針が一般的です。それが現在では、手術リスクの低い比較的若い患者さんにも適応が拡大しつつあります。
さらに、米国ではTAVIの予防的な早期治療が始まっています。2025年5月、米国食品医薬品局(FDA)が、症状のない無症候性の重症大動脈弁狭窄症の患者さんへの適応拡大を承認しました。それまでは、「症状が出るまで慎重に経過観察する」という治療方針が一般的でしたが、心筋がダメージを受ける前に予防的に早期介入を行う方針へと転換したのです。


















