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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

米国では早期介入を承認も…TAVIの適応拡大はまだ慎重に考えるべき

公開日: 更新日:

 これは、米国やカナダの75施設が参加した「EARLY TAVR」という大規模臨床試験の結果を背景にしています。65歳以上の無症候性重症大動脈弁狭窄症患者901人を対象に、早期にTAVIを実施した455人と、経過観察した446人を比較したところ、早期にTAVIを施行した群は、症状が出るまで経過観察した群に比べ、死亡、脳卒中、予定外の心血管系入院の複合リスクが約50%減少したという結果でした。さらに、経過観察をしていた患者さんの約70%が2年以内に症状が悪化し、最終的にTAVIが必要になりました。

 これを受け、TAVIによる予防的な早期介入を行えば、症状が出る前の突然死リスクを回避できたり、生活の質を維持できるといったメリットが主張され、方針転換が進んでいるのです。

 そんな米国の状況や、先に触れた研究などにより、日本でもさらに若い患者さんなどに対し、TAVIの適応が広がっていく可能性は高いといえます。

 しかし、若年層へのTAVIの適応は、まだ慎重に考えるべきです。現時点では、10年を超える長期成績や人工弁の耐久性に関するデータは依然として限られていますし、若い患者さんの場合は20~30年先を見据え、将来的に2度目のTAVIを行う「TAV in TAV」が実施可能かどうかも含め、最適な治療を考慮しなければなりません。

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