米国では早期介入を承認も…TAVIの適応拡大はまだ慎重に考えるべき
これは、米国やカナダの75施設が参加した「EARLY TAVR」という大規模臨床試験の結果を背景にしています。65歳以上の無症候性重症大動脈弁狭窄症患者901人を対象に、早期にTAVIを実施した455人と、経過観察した446人を比較したところ、早期にTAVIを施行した群は、症状が出るまで経過観察した群に比べ、死亡、脳卒中、予定外の心血管系入院の複合リスクが約50%減少したという結果でした。さらに、経過観察をしていた患者さんの約70%が2年以内に症状が悪化し、最終的にTAVIが必要になりました。
これを受け、TAVIによる予防的な早期介入を行えば、症状が出る前の突然死リスクを回避できたり、生活の質を維持できるといったメリットが主張され、方針転換が進んでいるのです。
そんな米国の状況や、先に触れた研究などにより、日本でもさらに若い患者さんなどに対し、TAVIの適応が広がっていく可能性は高いといえます。
しかし、若年層へのTAVIの適応は、まだ慎重に考えるべきです。現時点では、10年を超える長期成績や人工弁の耐久性に関するデータは依然として限られていますし、若い患者さんの場合は20~30年先を見据え、将来的に2度目のTAVIを行う「TAV in TAV」が実施可能かどうかも含め、最適な治療を考慮しなければなりません。


















