ピークは60~70代…「ALS」は高齢者にとっても無関係ではない
多くは家族に同じ病気がいない「孤発性」で、「家族性」は全体の約5%です。原因はひとつではなく、神経の老化、過剰な興奮を招く物質、酸化ストレス、異常なタンパク質の蓄積、遺伝子などが複雑に関係すると考えられています。
残念ながら、現時点でALSを完全に治すクスリはありません。ただ、進行を遅らせる治療薬はあり、種類も増えてきました。リルゾールというクスリは神経を傷つける過剰な興奮を抑え、エダラボンというクスリは酸化ストレスを減らすことで症状の進行を抑えます。さらに、早期の患者を対象として高用量メコバラミンの筋肉注射も使われます。特定の遺伝子も異常がある患者にはトフェルセンという薬が選択肢になり、これは原因となるタンパク質の産生を抑えます。
これらは失われた筋力を元に戻すようなクスリではなく、効果や副作用にも個人差があります。どのクスリを選択するかは、発症からの期間、病状、呼吸機能、遺伝子検査などで異なるため、専門医の判断が必要です。 クスリを開始した後も、肝臓や腎臓の検査を含めて定期的な確認が必要です。そしてクスリだけでなく、栄養管理やリハビリ、人工呼吸器の導入、嚥下困難への対応、意思を伝達するための機器の早めの導入などで、生活の質をある程度維持することが可能です。
筋力低下が片側から進む、ろれつやのみ込みが悪くなるといった変化が続くようであれば、「年のせい」とは決めつけずに早めに脳神経内科へ相談しましょう。早期診断は、使える治療と支援の幅を広げます。



















