(12)なぜ、夜になると「痛み」が強くなるのか? 体内時計と睡眠、神経の働き
夜の痛みを考えるうえでは、睡眠との相互作用も重要だ。痛みで眠れず、睡眠不足によって翌日の痛みが強まる。この悪循環は、慢性痛を長引かせる一因となる。
22年、学術誌「Frontiers in Neuroscience」に掲載された総説は、人と動物の研究を分析し、睡眠不足によって痛みへの感受性が高まることを示した。その背景には、脳や脊髄で痛みの信号を抑える仕組みの働きが弱まることや、炎症反応の変化などが関与する可能性がある。ただし、詳しい仕組みには未解明の部分も残されている。睡眠不足は、普段なら耐えられる程度の刺激まで痛く感じさせる可能性がある。
炎症や免疫反応にも、体内時計による時間的な変化がある。免疫細胞や炎症性サイトカインなどの働きが時間帯によって変化し、痛みの感じ方に影響する可能性も研究されている。ただし、夜間の痛みを炎症だけで説明できるわけではなく、神経系や睡眠の状態なども含めて総合的に考える必要がある。
24年に「Nature Reviews Neuroscience」誌に掲載された総説は、睡眠と体内時計を互いに影響し合う仕組みとして捉える重要性を指摘。痛みについても、睡眠不足や体内時計のリズムをそれぞれ独立した要因と考えるのではなく、相互に作用するものとして理解することが重要だ。


















