さあ、秋のGⅠシーズン到来!負けても負けても競馬が楽しいのはなぜか
前の年、地方出身のハイセイコーが中央に移り、皐月賞、NHK杯を連覇してアイドルホースになっていた。ダービーでは惜しくも3着に敗れたが、常に一生懸命走る姿がオイルショックで沈んでいた多くの日本人を鼓舞し、引退したときには主戦騎手・増沢末夫が歌った「さらばハイセイコー」がベストセラーになり、競馬を「全国区」にした。
アイドルといえば、寺山が形容したように“咲いた桜が散るよう”に大逃げして、後続を寄せ付けなかったサイレンススズカも多くのファンに愛された。だが、レース中に骨折して安楽死。5歳(現4歳)の秋だった。
武豊は“究極のサラブレッド”といわれたディープインパクトにも騎乗しているが、「ディープにとってサイレンススズカが最も負かしにくい馬だったろう」と語っていた。
私は追い込み馬が好きだ。ミスターシービーという馬がいた。騎手は吉永正人。素晴らしい末脚でシンザン以来19年ぶりの3冠馬になった。
シービーの父はトウショウボーイ。同時代にテンポイントやグリーングラスがいた。