株価一時1000円超え下落で「下げの催促相場」出現…出遅れ投資家には“絶好の買い場”なのか

公開日: 更新日:

4月9日 イスラム教ラマダン明け

 気になるのは、その時期。いつごろ、どんなタイミングで下げるか。

「市場の不安材料は少なくありません。ひとつはイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の行方です。イスラム教のラマダン(断食月)が10日に始まりました。ラマダン前の休戦も期待されましたが、うまくいかなかった。重要イベント中の戦争継続は危険です。ラマダン中に何かが起きる危険は拭えません。スエズ運河を利用する船舶が通る紅海の海底ケーブルが切断されたというニュースを耳にしました。スエズ封鎖なんて事態になったら、株式市場は暴落しかねません」(清水秀和氏)

 ラマダンには「欲」を戒める意味合いがあり、断食だけでなく、性行為やケンカなども禁じるという。

 そうだとすると、ラマダン明け(4月9日)の大ゲンカ勃発もあり得る。中東情勢が暴落の引き金になりかねない。

■3月15日 春闘の第1回結果公表

 市場で最も懸念されているのは日銀の動向だ。11日の大幅下落は、3月中にも日銀がゼロ金利を解除するのではないかとの臆測が原因のひとつだった。

「日銀は解除の理由づけが欲しいはず。賃上げはかっこうの材料でしょう。春闘の結果がハッキリしてくれば動くかもしれません」(黒岩泰氏)

 春闘(大企業)の最終回答の集計を出すのは7月ごろだが、第1回集計はきょう(13日)だ。15日に結果が公表されるので、その数字によっては日銀のゼロ金利解除の確率がグッと高まる可能性が出てくる。となれば、株価暴落を引き起こしかねない。

 日銀が抱える爆弾はもうひとつある。これまで大量に購入してきたETF(上場投資信託)だ。1月末時点で約67兆円(時価)といわれる。世界最大級の機関投資家のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)でさえ、国内株式の保有額は約55兆円(2023年末)。その額を上回る国内株を日銀は持っている。

「どんなに上手に売却しても、膨大な額だけに株価を押し下げる要因になります。日銀がETFの売却を本格スタートしたとなれば市場は反応するでしょう」(黒岩泰氏)

 ゼロ金利解除に、ETF売却が重なったらインパクトは大きい。下値メドの3万5000円近辺を覚悟したほうがよさそうだ。

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