物価高が一服する? 当てにならない「日銀見通し」ハズれ連発の黒歴史

公開日: 更新日:

 経済評論家の斎藤満氏はこう指摘する。

「全国の先行指標である東京都区部の4月のコアCPI(中旬速報値)は、前年同月比で3.4%も上昇。実態に近い数値です。金融正常化を目指す日銀が物価見通しを上方修正する可能性アリと見ていましたが、官邸の方針転換の影響を受けたのでしょう。トランプ米政権は円安修正と消費税廃止を要求していて、円安アジェンダをクリアするには利上げを断行する必要がある。しかし、政府・与党にとって参院選前に経済的負荷を高めるのはマイナス。トランプ大統領の求心力が揺らいでいることから恐怖心が薄らぎ、国内政治重視に傾いている。巻き込まれた格好の日銀は利上げ見送りの理屈として、景気下振れとインフレ足踏みをセットで出したのでしょう。黒田日銀は『上がる上がる』とあおっては下方修正し、植田日銀は『上がらない』と言って上方修正。日銀の見通しは政治に応える方便と化しています」

 どうりでハズレを連発してきたわけだ。内閣府発表の4月の消費動向調査によると、1年後に「5%以上」の物価上振れを見込む割合は前月比4.7ポイント増の60.0%。納得の数字だ。

  ◇  ◇  ◇

 自民を除く主要政党が「消費税減税」で完全一致なのに…早期実現を阻むものとは? 関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人vs阪神またもドラフト場外戦勃発!1巡目指名8年で5回モロかぶり…中日とヤクルトも参戦か

  2. 2

    叱責、鉄拳、罰金…試練の日々で星野監督よりも「怖かった人」

  3. 3

    ドラフト外入団の憂き目に半ば不貞腐れていたボクを最初に見出してくれたのは山本浩二さんだった

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 5

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  1. 6

    前橋市長の「ラブホ通い詰め」だけじゃない…有名女優らもキャッチされた格安ラブホ不倫劇の舞台裏

  2. 7

    次期巨人監督へ桑田二軍監督が腕まくり! 松井秀喜氏への“つなぎ登板”は球団の思惑とも合致

  3. 8

    林芳正氏が自民党総裁選“台風の目に”…「2強」失速でまさかの決戦投票進出あるか

  4. 9

    国民民主・玉木代表が維新の“自民すり寄り”に猛ジェラシー! 総裁選後の「補完勢力」の座めぐり場外乱闘勃発

  5. 10

    杉田かおるの窮地を陰から支えていた舘ひろしの男気