今後の投資は集中か分散か…トランプ・ショックでの運用利回りを年初から分析した
■分散投資で下落リスクが軽減
トランプ・ショックでどのくらい下落したかも確認しておこう。2月19日から4月9日までの下落率で見ると、オルカンは約20%の下落、S&P500は約22%の下落だった。一方で8資産均等型は約10%の下落にとどまっており、分散投資によって下落リスクが一定程度軽減されていることがわかる。米国経済の先行きが不透明の中では、S&P500やオルカンなどに資産を集中させるより、分散投資効果が期待できる商品への資産配分を検討した方がよいともいえる。
では、過去3年間、積み立て投資をした場合はどうか。オルカンもS&P500も年平均リターンは約10%だが、8資産均等型は約4%と見劣りする。長期運用になるほど、差は大きくなる。今後の相場はわからないが、オルカンやS&P500でリターンを狙いつつ、8資産均等型などのバランス型に一部資産を振り向けて安定的なリターンを狙うのが現実的だろう。過去3年間、S&P500に6割、8資産均等型に4割配分した場合、年平均利回りは8%まで向上する。
(向山勇/ジャーナリスト)