“令和のオイルショック”で日本の損失は年間20兆円超 イランがホルムズ海峡に機雷敷設で原油再高騰必至

公開日: 更新日:

円安加速で貿易赤字は過去最大に

 加えて機雷敷設でホルムズ封鎖が長引けば、供給はますます滞る。原油の9割超を中東に依存する日本には大打撃となり、輸入コストの上昇は避けられない。財務省の貿易統計によると、昨年1年間の原油・石油製品・LNGなどの輸入額は18.8兆円に上る。

「今年初めのWTIの値動きは1バレル=58ドル程度。倍以上となる120ドル台の高値が続くと、長期契約分を差し引いても、輸入コストは年間15兆~20兆円近く増えてしまう。輸入の見返りに“原油課税”を強いられるようなもので、日本の富が産油国に収奪されていくのです」(斎藤満氏)

 日本の貿易赤字額は、22年の約21.7兆円が過去最大だ。主な要因はウクライナ危機に伴うエネルギー高騰だったが、円の価値は今よりも数段、高かった。年初に115円台だった対ドル相場は10月に一時151円台まで下落したものの、年間平均レートは130円前後。円安加速で160円台に近づく現在とは比べものにならない。

「今月の追加利上げは無理にしても、日銀の植田総裁が高市首相の難色に気兼ねして来月も見送れば、なお一層の円売りを招く。原油コスト高のダメージを増幅させるだけです」(斎藤満氏)

 過去最大の貿易赤字額を更新させる「令和のオイルショック」を招いた“戦犯”として、植田総裁は歴史に名を刻みたいのか。

  ◇  ◇  ◇

 イラン攻撃による日本への影響については、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    赤沢経産相“ナフサ不安”の呆れた責任逃れ シンナー不足「目詰まり」「解消済み」に塗装業界は不信感

  2. 2

    足元ではコメ値下がりも新たな問題が…加工米が4万トン不足で日本酒業界もピンチ

  3. 3

    ナフサ危機で中小メーカー4万社超「調達リスク」に悲鳴…高市政権は医療分野すら「優先配分ナシ」の塩対応

  4. 4

    連休明けに価格転嫁の大波が押し寄せる…ホルムズ海峡航行困難で3月「企業サービス」異例のコスト増

  5. 5

    「インフレ加速」が高支持率に浮かれる高市政権のアキレス腱に…物価高もう一段の7月に危機到来

  1. 6

    石油備蓄に奇妙な“二重基準”…1日の消費量が日本政府は「176万バレル」で国際基準は「336万バレル」のナゼ

  2. 7

    1ドル=160円にらむ円安進行に後手後手…日銀「4月利上げ後退」で庶民生活はジリ貧の一途

  3. 8

    「プーチン心停止で影武者代行」情報…訪中大失敗のストレス、ロ国内に広がる大統領5選は無理の空気

  4. 9

    庶民生活は100円ショップ頼りに…GW旅行者数は好調も、「情報」と「生活費」は節約志向

  5. 10

    麻生太郎氏に「10月政界引退説」 派閥の「裏金疑惑」拡大で窮地…気づけば孤立無援

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    エゴイストのような「人間性」がアウト? ドジャース佐々木朗希にトレード説がくすぶり続ける根拠

  2. 2

    嵐の大野智と相葉雅紀、二宮和也が通信制高校で学んだそれぞれの事情

  3. 3

    ド軍指揮官が佐々木朗希に「計算できない投手は要らない」…正念場のカブス戦で怖い「魔の三回」

  4. 4

    巨人・甲斐拓也「あと4年続く地獄」…FA入団2年目にして上にも下にも居場所なし

  5. 5

    “幼稚さ”露呈した佐々木朗希「報奨金事件」…ド軍日本人スタッフ2名が「7000万円超」もらえず?

  1. 6

    (5)梶原一騎は「極真の若いやつらが襲ってきたらドタマかち割ってやる」と特殊警棒を振り回した

  2. 7

    「再始動」報道続々の中居正広氏がカムバックする日 「悪名は無名に勝る」と業界が虎視眈々のワケ

  3. 8

    山﨑賢人が「ジョン万」に起用 NHK大河出演後は“大きなリターン”が待っている

  4. 9

    和久田麻由子アナがフジとTBSではなく日テレを選んだワケ 今週からついに新報道番組に登場

  5. 10

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病