森健兒氏 「Jリーグをつくった男 木之本興三君を悼む」

公開日: 更新日:

 Jリーグをつくった男が逝った。8日に68歳の誕生日を迎えたばかり。2つの思いが交錯する。

「まだ早い。70にもなっていないじゃないか」

「よく頑張った。もう無理はするな。あの世でゆっくり過ごしてくれ」

 元Jリーグ専務理事の木之本興三君が15日、あの世へと旅立った。彼の人生はサッカーとともにあったが、それと同時に「病魔との壮絶な闘い」でもあった。

 古河電工のサッカー部(現J千葉)でプレーしていた26歳の時、難病に取りつかれて両腎臓を摘出。以来、週3回の人工透析が欠かせなくなった。

 私が三菱重工広報課長時代に日本サッカーリーグ(JSL)事務局をお手伝いしている時、古河サッカー部OBで日本サッカー協会の長沼健元会長から「病人だけど間違いなく仕事はできる」と推薦され、専従職員の事務長として迎え入れた。

 予期せぬ大病は、彼を有能なサラリーマンとして、良き家庭人として生きていくことを難しくした。木之本君は、せめて日本サッカーのメジャー化にまい進することで「生きている実感」を得たかったのだろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは