重友が復活優勝も…日本選手にペースメーカーはいらない
これで強化といえるのか。
8月の世界陸上(ロンドン)の代表選考を兼ねた29日の大阪国際女子マラソンは、ロンドン五輪代表(79位)の重友梨佐(29)が、2時間24分22秒で5年ぶり2度目の優勝を果たした。
今大会は3年後の東京五輪への強化策として、勝負どころの後半でペースを上げるために、中間点まで走るペースメーカー(PM)のタイムを従来より1分近く遅い1時間12分台に設定。一定のペースは刻めなかったとはいえ、ほとんどの選手は予想通り後半に失速。
重友だけは、前後半ともほぼ同じタイムで走った。それでも時計は5年前の自己記録(2時間23分23秒)より約1分遅く、昨年覇者の福士加代子(2時間22分17秒)には2分以上も遅れた。
日本勢が惨敗したリオ五輪を見ても、スピードのあるアフリカ勢のペースの上げ下げに、全く対応できなかった。東京五輪へ向けての強化というなら、PMなどつけず、序盤から自分でレースをコントロールしたい。アフリカ勢に主導権を握られていては上位争いはできない。
今回は日本選手の闘争心に火をつけるはずの海外招待選手も、自己記録の最速は5位に入ったハブテゲブレル(26=バーレーン)の2時間25分36秒。
力不足の日本選手にはもっと大胆な強化が必要だ。小手先の策ではリオと同じ結果は見えている。