7月場所も休場宣言 横綱稀勢の里を追い詰めた“先代の呪縛”

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「先代の指導は『角界一厳しい』といわれていた。不甲斐ない相撲を取ると、ゲンコツや竹刀が飛んでくるのは当たり前。弟子の生活指導も神経質なくらいに気を使い、ちゃんこも自分で味見をした上でないと食卓に出させず、『市販のものは添加物が入っている』と、麺類は部屋で手打ちしていたくらいです。弟子を思うがゆえに過激すぎるきらいもあったので、弟子は反発するか心酔するか。稀勢の里は後者。中卒の思春期に入門しただけに、本当の父親と同じくらい慕っていた」

 さらにこの親方は続ける。

「やがて『師匠の教えに従っていれば大丈夫』となり、自分で新たなことを考えて実行するというアタマと行動力に欠けた。禁止されていた出稽古を解禁したのも、先代が他界してから2年後の2013年。その後、『出稽古に行くなら強いヤツとやれ』といくら周囲が口を酸っぱくして言っても、耳を貸さなかった」

 出稽古先で白鵬とかち合い、向こうから「稽古しよう」と誘われたのも、偶然に偶然が重なった結果。覚醒したとしても、時すでに遅し、だ。

 先代の薫陶を受けて横綱に上り詰めるも、結局、その教えに固執したり、ガンコな性格が災いとなった。崖っぷちに立たされたのは、左上半身のケガだけが原因ではない。

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