著者のコラム一覧
永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

不可解な続投に二重契約…ラグビー代表監督巡る混乱の歴史

公開日: 更新日:

■意中のエディー就任までに16年

 カーワンはNECでプレーした経験を持ち、自ら武士道を語る“日本通”だったが、07、11年と2大会続けて指揮を執ったにもかかわらず、残した実績はカナダと2大会連続で引き分けたのみ。あとは全敗だった。

 それ以上に、オーストラリア(07年)、ニュージーランド(11年)という、勝てる見込みがない強豪に、変則日程を理由に実質的な二軍をぶつける“ツープラトン方式”という、悪しき前例を残した。

 カーワン退任後の12年。日本代表は、ようやく“意中の人”だったエディーをHCに迎える。96年の日本代表コーチから数えて16年、宿澤が理事会で外国人監督を主張してから8年が経っていたが、就任会見でエディーはこう言った。

「W杯ではどんな相手に対しても必ずベストメンバーで臨む。来年の6月には北半球の強豪を蒸し暑い秩父宮に呼んで、日本ラグビーの歴史を変える勝利を挙げたい」

 そして、エディーはどちらも実現させた。13年にウェールズを破り、15年W杯で南アフリカを破り、さらにサモア、アメリカを破ったのだ。

 しかし――。

 15年W杯直前に、エディーは大会終了後に日本を離れることを言明。日本ラグビーは再び混乱にたたき落とされた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    マツコが股関節亜脱臼でレギュラー番組欠席…原因はやはりインドアでの“自堕落”な「動かない」生活か

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  1. 6

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  2. 7

    小泉進次郎氏8.15“朝イチ靖国参拝”は完全裏目…保守すり寄りパフォーマンスへの落胆と今後の懸念

  3. 8

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  4. 9

    「石破おろし」攻防いよいよ本格化…19日に自民選管初会合→総裁選前倒し検討開始も、国民不在は変わらず

  5. 10

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々