著者のコラム一覧
六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

U-23アジア選手権惨敗 日本代表に感じた試合前の“軽さ”

公開日: 更新日:

 その理由は、ゲーフラに日本のTV解説者である松木安太郎さんと<試合に勝つ>という意味で「トンカツ」の絵が描かれていたから、という。サウジなどイスラム教の国々では、戒律で豚肉は禁忌となっている。イスラム教徒への侮辱に当たると判断されたようだ。この例だけではなく、ゲーフラに関しては警備員がスマホで撮影して何が描かれていたのか、厳しくチェックされたという。

 その一方、プレスルームでは豚肉がトラブルの原因になるところだった。

 ありがたいことにプレス用に2種類の弁当が用意されていた。ひとつはガパオライス。豚ひき肉と野菜を甘辛く炒め、白飯に目玉焼きを乗せたもの。もうひとつは、チャーハンの上に豚肉の生姜焼きを乗せたものだった。言うまでもないが、中東でも戒律が厳しいことで知られているサウジのメディア陣は、弁当に手を出そうとはしない。翌日、弁当の豚肉から鶏肉に変更され、私たちもホッとしたものである。

 異なる宗教の選手やファン、メディアが一堂に会する国際大会の運営の難しさを垣間見たワンシーンだった。今夏の東京五輪では、その辺りの抜かりはないと信じている。

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