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吉田賢

1960年、広島県尾道市出身。83年にNHKに入社し、87年から大相撲中継を担当。以来、定年退職した2025年5月場所まで、実況アナとして活躍した。高校野球、メジャーリーグ、オリンピックなど相撲以外のスポーツ中継歴も豊富。出身地にちなんで「しまなみ親方」の愛称で親しまれている。

綱とり安青錦は? 横綱大の里の逆襲? 相撲実況歴38年、元NHK吉田賢アナが3月場所を占う

公開日: 更新日:

藤ノ川は「銭の取れる相撲取り」

■藤ノ川に刮目せよ!

 さて、もう一人の横綱豊昇龍はどうか。軽量ゆえに、わずかのタイミングのズレや手違いが取りこぼしにつながっている。スピードに頼って失敗する場面もしばしばみられる。こうした課題にいかに対処するかだ。叔父さんとは違って(失礼!)好青年の、進化を待っている。

 先場所、優勝同点の熱海富士は新三役になった。右四つの相撲を磨こうと、しばらく暗中模索の季節が続いたが、ようやく形になってきたようだ。熱海富士自身、「少しはそれらしくなってきた」と、感触を口にする。それが本物になるかどうか、試金石の場所だ。膝に古傷を抱える大関琴桜には、3月はまだ寒い。苦しい場所が続いているが、早く覚醒してほしい。

 時に、小兵・藤ノ川という力士をとくと見てもらいたい。ハートが強く、真っ向勝負。技術も光る。たとえ押し込まれても回り込んだり、相手の脚をはね上げながら投げて大きな相手を裏返したり。北の富士さんが言っていた「銭の取れる相撲取り」が藤ノ川だ。

 上を目指すために体重を増やす力士が多いが、藤ノ川には小兵のまま、大型力士相手にきっぷのいい相撲をとり続けて、ファンを魅了する存在になってほしい。今場所は番付を前頭2枚目まで上げ、横綱大関ら上位陣と初めて総当たりになる。結果的に1勝14敗でもいい。己の相撲を貫いてほしい。上位陣を慌てさせる、そんな取り口が見てみたい。

 さあ、相撲ファンの皆さま。これから一緒に、わいわいガヤガヤ相撲談義をしていこうではありませんか!

(構成・山家圭) 

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