「絶望読書」頭木弘樹著

公開日: 更新日:

 20歳のときに難病を発症し、13年間の絶望生活を送った著者が、絶望期にこそ読書が必要なことを説いた読書の勧め。

 ちまたには絶望からどのように立ち直るか、または絶望した人を励ますような本はたくさんあるが、絶望している期間をどう過ごせばよいのかを教えてくれる本はなかったという。

 入院中にお見舞いに渡された本の中で、心にしみたのは絶望的な気持ちに寄り添ってくれるような本、つまり絶望的な内容の本だったという。その本をくれたのもやはり長期入院の経験がある人だった。絶望への共感が、実は絶望を癒やしてくれるのだという。

 太宰治の短編小説「待つ」など、絶望したときに寄り添ってくれる本や映画ドラマを紹介しながら、絶望を生き延びる術を語る。

(河出書房新社 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    草間リチャード敬太容疑者が逮捕…コンビニバイトと掛け持ちの苦労人だったが横山裕のセレクトに難あり?

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  4. 4

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  5. 5

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  1. 6

    まさかの故障で失意の最中「お前はラッキー」…トシさんの言葉がなければ今の俺はいない

  2. 7

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  3. 8

    米倉涼子の"体調問題"が各界に波紋…空白の1カ月間に一体何が? ドラマ降板情報も

  4. 9

    参政党の党勢拡大に早くも陰り…「聖地」加賀市で“親密”現職市長が惨敗落選の波乱

  5. 10

    公明党が「自民との連立離脱も辞さず」の背景…まさかの“国政撤退”もあり得る深刻事情