1歳未満の乳児にも解禁 タミフルはいつ安全になったのか

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 現在、抗インフルエンザ薬には内服薬の「タミフル」、吸入薬の「リレンザ」と「イナビル」、注射薬の「ラピアクタ」がある。効果には大差がなく、発症48時間以内に使えば90%の人は熱が下がるといわれているが、1歳未満にはラピアクタ以外認められていない。

「静脈ラインの確保が必要なラピアクタの使用は基本的に重症ケースに対して行われます。乳児は自力で吸入できないので吸入薬は使えません。軽症~中等症では内服薬のタミフルが使いやすいのです。日本ではタミフルの乳児への処方の国内臨床試験の結果はありません。しかし、厚労省の依頼で当会が行ったタミフルの乳児に対する使用実態調査でも問題はありませんでした。海外では乳児にもタミフル使用は奨励されています」(堤教授)

 実際、2012年12月に米国で乳児への使用は承認され、米国疾病対策センターのガイドラインでは乳児を含む小児への使用が推奨されている。欧州でも同様だという。

 乳児へのタミフル投与の海外臨床試験は大きいものが2つある。①米国16施設で行った、生後24カ月未満のインフルエンザ患者への試験と②スペイン、フランスなど6カ国11施設で行われた生後12カ月未満のインフルエンザ患者に対する試験だ。有害事象は①は87例中54例に起き、過敏症の1例を除いて薬との関連は否定された。②は薬との関係が否定しきれなかったものが65例中7例だった。

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