40代で難病に さかもと未明さんを救った名ホテルでの半年

公開日: 更新日:

 その後も薬でだましだまし仕事を続けましたが、それまで「元気で明るい未明さん」で売っていただけに、難病を公表すると一気に仕事がなくなりました。特に11年前後は不倫報道や個人的な言動が批判を浴びてしまい、体調も悪化の一途をたどりました。一番ひどい時は、障害者手帳の等級が2級でした。

■半年間の椿山荘生活と夫のおかげで少し回復

 そんな私を見かねて、「君を助けたい」と言ってくれたのが今の夫です。その頃はもう寝たきりに近い状態だったので「最後に一番憧れているホテルで暮らしたい」と思い、貯金をはたいて椿山荘で暮らすことにしたのです。約半年間、この上なく美しい場所で心尽くしの接客を受けながら、「なぜ、こうなってしまったんだろう」としみじみ半生を振り返りました。

 発端は「親に認められたい」という気持ちでした。体が弱くて学校からも会社からもはみ出してしまい、家を出た揚げ句に夫も振り捨て、子供も怖くて持てなかった。そのマイナスを埋め合わせるために「うんと成功しなければいけない」と思い頑張ってきた。でも、それは「両親を見返したい」という恨みから出たもので、愛がなかったことにやっと気づいたのです。病気はそれを教えてくれました。これから人の気持ちに届くような愛のある仕事をしていくために必要な試練だったのかなと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々