お年寄りだけじゃない…餅が詰まりやすい人の特徴と対処法

公開日: 更新日:

「高齢者は、歯を失うなどして噛む力が衰えているのに加え、舌などの口腔内の筋肉で食べ物をのどに送る力などが低下しているからです。しかも、唾液量が減るためのみ込む力も弱まります。つまり、本人は噛んでいるつもりでも実際はのみ込んでいる、早食いしているケースがあり、それが気道のふたの部分に食べ物がどんどん詰め込まれていく詰め込み食いにつながり、気道が開かなくなる原因になっているのです」

 それでも咳をして詰まった餅を押し返すための防御反応ができればいいが、年を取るとその力も弱まるという。

 高齢者は姿勢も問題で、背中をまるめた猫背の場合、顎が上がって、顎の噛むための筋肉が十分発揮できずに気道に餅が詰まりやすい。椅子にしっかり座らず足をぶらぶらしていると体が安定せず、のみ込むための首の筋肉が動かしにくいからだ。

「若い人でも最近は歯が悪い、噛む力が衰えている、唾液量が少ない、のどの奥に食べ物を運ぶ筋力が低下しているケースも多い。餅の事故は若いから大丈夫というわけではないのです」

 それにしてもなぜ、食べ物のなかで餅がのどに詰まりやすいのか。その理由は、餅の温度にある。餅は表面温度が体温位近い40度以下に低下すると硬くなり始める性質がある。冬は室温が低く、餅を口の中に入れてのどに送るまでに外気に触れるため温度が30度くらいに低下することで一層硬くなる。しかも、餅の温度が体温以下になると、口の中で餅同士がくっついたり、のどの粘膜にくっついたりしてはがれにくくなる。そのため、気道を塞いでしまうリスクが増すのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々