著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

がん予防や効く薬を探す 遺伝子検査は確実に進歩している

公開日: 更新日:

遺伝子パネル検査は2019年から保険適用に

 次に、効果的な抗がん剤を探すために行うがん組織の遺伝子検査についてお話ししました。

 Fさんの姉の夫の進行した大腸がんでは、大腸がんの組織の遺伝子を検査して治療薬を探すことから「遺伝子パネル検査」と呼ばれます。この検査は採血する検査ではなく、手術で採取したがん組織の遺伝子を調べます。そして、その患者さんに合った薬剤を探すのです。

 これまでの治療は、臓器別に適応薬が決まっていました。たとえば、A薬は臨床試験で「統計上、膵臓がんの患者に効く」という結果があるので国は保険適用としています。しかし実際には、その患者さんに効くかどうかは投与してみないと分からないのです。

 2019年に遺伝子パネル検査が保険適用となったのは、「標準治療がない固形がん(主に希少がん、小児がんなど)」と、「局所進行もしくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者(終了が見込まれる者を含む)」でした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方