著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

持病が3つ以上で5倍…欧米データから見た重症化しやすい人

公開日: 更新日:

 さて、当初からどのような人が重症化するのか、そのリスクについて世界中で研究されてきた。たとえば中国や米国での研究により、高血圧症、糖尿病肥満、心血管病、腎臓病などが危険因子として報告されてきた。米国疾病対策センター(CDC)の報告では最大の危険因子は年齢で、18~29歳の若い人に比べ、65歳以上では5倍以上の入院率、90倍以上の死亡率であった。

 持病によるリスクで見ると、死亡率が高くなるのは高血圧症、肥満、糖尿病で3倍、腎臓病で4倍、3つ以上の病気があると5倍といわれている。個々の病気などでのリスクは次のようにいわれている。

●脳血管疾患:重症化リスク1・8倍、死亡リスク2・4倍
●高血圧症:重症化リスク2倍、死亡リスク2・2倍
●肝疾患:肝硬変の重症度に伴い死亡リスク増加(最大28倍)
●妊娠:1・7倍、人工呼吸器が必要になる
●喫煙:重症化リスク1・9倍

 しかし、これらは先に述べた通り、海外でのデータによるものである。新型コロナの発生源に近い日本では10月4日現在、8・5万を超える感染者が出ているにもかかわらず、なぜか独自のデータに基づく重症化リスクの大規模な分析結果は国民に伝えられてこなかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々