コロナ収束への道<2>「ワクチン調達は民間の力を借りるべき」

公開日: 更新日:

 インフルエンザ予防接種は毎年10~12月の3カ月間で延べ5000万~6000万人程度接種する。国内生産されたワクチンは薬の卸業者を通じ各医療機関の注文に応じて配布される。

「新型コロナワクチンでも市場原理に基づいたこの枠組みを活用していれば、東京五輪前にも接種は完了していたかもしれません」

 しかし、残念ながら今回はインフルエンザワクチンとはまったく異なる流通方法が採用された。国が地方自治体ごとに本数を割り当て、それを自治体の判断で地元の医療機関に配布したり、独自の大規模接種会場用に振り分けた。そのため、接種希望者の多いエリアとそうでないエリアではワクチンの過不足が発生した。

 だからといって、新しい仕組みでは医療機関が必要に応じて製薬会社から買うこともできなかった。

 むろん、供給当初ではやむをえない事情もあった。新型コロナワクチンは全量海外からの輸入に頼っていたため、どのくらいの量を確保できるか不明だったこと、冷凍保存が必要など管理が難しかったこと、インフルエンザワクチンとは異なり新型コロナワクチンは無料のため感染リスクの高い医療従事者や65歳以上の優先接種が守られるか不安があったことなどだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動