著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

一時的な入院で筋力が著しく低下した90歳…自活生活に戻れるか?

公開日: 更新日:

 近くに息子さんは住んでいますが、もともと独居で自立した生活をされていた方で、退院し、ご自宅での生活を強く希望。しかし、元の生活に戻るには、病院からはさらに施設入所を強く勧められたといいます。息子さんたちが何か手がないかを探し、リハビリテーションを目的とした他の病院への転院を経て、希望通り、在宅医療を開始となったのでした。

 私たちがご自宅を初めて訪れたとき、そこには驚きの光景が……。部屋は足の踏み場もないほどの、いわゆるゴミ屋敷だったのです。

「お荷物がたくさんですね」(私)

「私が週に1~2回来て掃除してはいるんですが」(息子さん)

「ちょっとおウチが過ごしにくそうですからね」(私)

「ものがいっぱいで。私も片付けたいんだけど手付かずで」(本人)

「息子さんとかヘルパーさんに手伝ってもらってちょっとずつ変えていきましょう」(私)

 聞けばご本人は耳も聞こえにくくなっているご様子で、息子さんは耳あかが詰まってるんじゃないかと心配されていました。次回処置できるようにピンセットの用意をお約束すると、安心されたご様子。

 在宅医療を受ける方には、さまざまな方がいます。お一人暮らしの方、療養環境の整理がまず必要な方もかなりいます。私たちは患者さんやご家族に寄り添い、改善のお手伝いを時にしながら、患者さんのQOLを上げることに尽力しているのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋