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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

往年のプロ野球選手 毒島章一さんは2年で他界…前立腺がん骨転移の痛みは放射線で9割治る

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 骨転移がある部位は骨がもろく、健康なら折れない程度のわずかな力で骨折しやすい。これを病的骨折といいます。

 とても厄介な症状ですが、骨転移には放射線治療が効果的です。骨転移による痛みは、放射線照射で8~9割は改善。麻痺もかなりよくなり、歩けるようになります。

 ただし、このような効果を得るには、発症してすぐに照射することが重要で、麻痺などが発症してから48時間以内です。それより遅くなると、回復できなくなります。脚のしびれや麻痺などの違和感があれば、すぐに医師に相談を。照射は1回のみで、東大病院の場合、相談を受けたらその日に照射しています。

 転移を起こす前立腺がんは悪性度が高く、進行が速い。全身の骨にがんが広がると、白血球や赤血球、血小板をつくる骨髄の機能が低下。貧血が進んで、血小板が減り、出血で亡くなることがよくあります。

 こうした事態を免れるためにも、放射線治療が大切。前立腺がんがあって腰痛が続くようなら、前立腺がんのマーカーであるPSAを一度調べるとよいでしょう。

 前立腺がんは男性ホルモンの影響を受けます。同じように乳がんも、女性ホルモンの影響を受けるため、骨転移が起こりやすい。乳がんの女性も骨転移は要注意です。

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