著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

嫌な体験をポジティブに捉え直す「リアプレイザル」はなぜ重要か

公開日: 更新日:

 自分の感情についての解釈を変えることで、マイナス感情を軽減する「リアプレイザル」という方法があります。

 リアプレイザルは、英語で書くと「re=再度」「appraisal=評価」。いま感じている感情を再評価し、新たな意味づけをする「認知的再評価」を意味します。感情を再評価することで、悪い解釈を良い解釈に変えてしまおうというわけです。

 リアプレイザルは、嫌な体験をポジティブに捉え直すことで、脳の扁桃体の活動が低下することも示唆されています。ハーバード大学のブルックスは、300人の被験者を対象に、「採点付きカラオケ」「2分以上の人前でのスピーチ」「数学のテスト」といったテストをするという実験(2013年)を行っています。その際、次の①~⑤を声に出してからテストをするグループに分けたそうです。

①私は不安だ②私はワクワクしている③私は落ち着いている④私は怒っている⑤私は悲しい──。

 すると、②の「私はワクワクしている」と言ったグループは、カラオケでは正確性が、スピーチでは説得力や能力、自信、持続性などの評価が上がり、数学のテストでは一番の好成績を残しました。自分のストレス反応(緊張)を「楽しくなってきた」とポジティブに解釈したことで、17~22%ほど成績が良くなることが判明。緊張している人にとってリアプレイザルが、有効的であることが示されたというわけです。

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