著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

当院スタッフが打ち明ける「自分が入院して初めてわかったこと」

公開日: 更新日:

 先日起きた発作は人と一緒にいたこともあり、その人が驚いて救急車を呼んでくれ、救急搬送されました。運ばれた病院で再度意識を失い、大事をとって1泊入院。点滴をつないでもらい、サチュレーション(酸素飽和度)を測る機械を指先につけました。

 転倒すると危険だからと車いすで移動、トイレに行くにもナースコールをしなければなりませんでした。手厚すぎる看護に感謝を感じると同時に申し訳なさも感じ、病人らしくしなければならない現実を直視したくありませんでした。

 両親にも連絡が取れ、就寝しようとした時、自分がメークをしたままで、コンタクトをつけていたことに気が付きました。幸い、メーク落としと歯ブラシは持っていたため、コンタクトも外し、就寝態勢が整いました。ただ、常に看護師さんが付き添ってくれました。私たち患者のことを考えて見守ってくれているのは重々理解しているのですが、一方で「私はもう大丈夫なのに……」と息苦しさを感じました。

 その時初めて、自宅で自分らしく過ごしたい患者さんの気持ちや、「私はもう大丈夫だから放っておいて!」と言って、在宅訪問を受けるのではなく、当院の外来に通うことにこだわった患者さん(2024年1月24日付の記事参照)の気持ちが理解できました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?