著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

HPVワクチンの無料接種期間が1年延長される対象者の条件は?

公開日: 更新日:

 ヒトパピローマウイルス(HPV)の予防接種を公費(無料)で受けられる「キャッチアップ接種」について、2026(令和8)年3月まで1年間の延長が決定しました。ただし、25年3月末までに最低1回の接種を受けていることが条件です。対象者は、誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日の10~20代の女性です。

 子宮頚がんのほとんどは、HPV感染が原因であることがわかっています。このHPVは性交渉により男性にも女性にも感染し、このうち一部の女性は前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頚がんに進行します。国内では、毎年約1万人の女性が子宮頚がんにかかり、約3000人が死亡しています。感染してからがんになるまでには10年以上経過する場合が多く、10代でHPVに感染すると30歳前後でがんになるリスクがあるのです。妊娠の際にがんが発見されて出産を諦めなければならない事例なども多く報告されています。

 HPVにはワクチンがあり、ワクチンを接種することで、多くのHPV感染を予防することができます。ただ、ワクチンはすでに今感染しているHPVを排除したり、子宮頚部のがん細胞を治す効果はなく、あくまで接種後のHPV感染を防ぐものです。ですから、HPVに初感染するまでにいかに早くワクチンを接種するかが重要だと考えられます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相が招いた「対中損失」に終わり見えず…インバウンド消費1.8兆円減だけでは済まされない

  2. 2

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

  5. 5

    「NHKから国民を守る党」崩壊秒読み…立花孝志党首は服役の公算大、斉藤副党首の唐突離党がダメ押し

  1. 6

    国民民主党でくすぶる「パワハラ問題」めぐり玉木雄一郎代表がブチ切れ! 定例会見での一部始終

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  3. 8

    男子バレー小川智大と熱愛報道のCocomi ハイキューファンから《オタクの最高峰》と羨望の眼差し

  4. 9

    長女Cocomiに熱愛発覚…父キムタクがさらに抱える2つの「ちょ、待てよ」リスク

  5. 10

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ