「グリア細胞」の機能低下や異常が引き起こす神経変性疾患

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「その障害は多発性硬化症などの脱髄性疾患の原因となります。多発性硬化症では自己免疫によりオリゴデンドロサイトが攻撃を受けて、神経伝達速度が低下。さまざまな感覚・運動障害が生じます」

■慢性疼痛や緑内障にも関係している

 また、グリア細胞は痛みの感覚を長期間維持・増幅するメカニズムに深く関わっていることもわかっている。

「そのメカニズムのひとつがアストロサイトを介したものです。脳や脊髄以外の体にある末梢神経が損傷すると、大脳皮質のアストロサイトが未熟な状態に逆戻りします。未熟化したアストロサイトはトロンボスポンジンと呼ばれる物質を放出して神経細胞間のつながり(シナプス)を再編成し、その結果として触れただけで痛みを感じるような過激な神経回路が新たに形成され、慢性疼痛が持続されるようになるのです」

 再編された神経回路は長期に維持される。通常の鎮痛薬はこうした回路には作用しないため治療が難しくなる。

 グリア細胞は脳の中だけに存在するわけではない。例えば視神経の周りにも存在する。

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