「脳の陰の支配者」グリア細胞はアルツハイマー病にどう関わっているのか
「グリア細胞は脳の守り手であると同時に病態の加速因子にもなりえる存在です。ADでは発症以前より異常タンパク質が脳内に凝集し、その後、不可逆的な神経変性が進行します。だからこそ、治療は発症以前から行う必要があるのです」
ミクログリアはアミロイドβの蓄積を早期に感知し、炎症性サイトカインを放出する。オリゴデンドロサイトはミエリン関連タンパク質の変化も病態初期と関連づけられている。
「これらは脳脊髄液や血液中で検出可能なことから、早期バイオマーカーとしても期待されています」(つづく)