著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「デフォルトの設定」によって意思決定は変わってくる

公開日: 更新日:

 私たちが何かを決断するとき、「あらかじめ選ばれている(デフォルトの)選択肢」が意思決定に大きな影響を及ぼすことを示す、コロンビア大学のジョンソンとゴールドスタインの研究(2003年)が存在します。

 2人は、被験者に対して臓器提供をするかしないかといったデータ分析によって、意思決定の傾向を調べました。その際、次の2つの聞き方で意思を確認したといいます。

①何も手続きをしなければ、自動的に臓器提供者になるルール(もし提供したくなければ、自分で「提供しない」と意思表示をする必要がある)。

②何も手続きをしなければ、臓器を提供しない人になるルール(もし提供したければ、自分で「提供する」と意思表示をする必要がある)。

 つまり、前提として「提供する」「提供しない」の差異があるということです。その結果、前者は86~99%という非常に高い割合の人が、臓器提供に同意しているのに対し、後者は臓器提供に同意する人の割合は4~28%と、極めて低い結果になったといいます。デフォルトの設定が、「臓器を提供する」になっているだけで、同意する人の数が圧倒的に多かったというわけです。人々は、わざわざ手続きをして設定を変えるのが面倒だったり、「これが推奨されていることなのだろう」と勝手に感じたりする傾向があるのです。

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