更年期障害の治療HRT療法…米FDAが「心疾患」「乳がん」「認知症」リスクを否定
「今回のアメリカの発表は、日本の更年期医療にとっても良いニュースだと言えます。日本もリスクへの概念が先行して普及率が非常に低く、2~3%程度。今後の日本のHRT普及にとっても良い流れとなるよう期待したいです」
日本における、更年期世代の女性の生産性の低下などで生じる損失は1.9兆円(経済産業省24年資料)と見積もられている。
日本でHRTは更年期障害の治療法として保険適用が認められているものの、国民への認知率は低い。普及率の低さはすでに述べた通りだ。その理由はアメリカと同様、副作用のリスクが前面に出ていることが否めないと小山医師は言う。
前述のように、更年期症状はさまざまで、頭痛、肩こり、めまい、疲労感、関節痛など、更年期症状と見分けにくいものも多い。しかし、HRTのメリットとして、更年期症状を改善するだけでなく、長期的にみた疾患の予防効果があることも明らかになっている。中でも特徴的なのが、骨粗しょう症予防だ。
「エストロゲンが減少することで、女性は骨密度が減少し、60代以降、大腿骨周辺の骨折が増加します。ところが、HRTを継続的に行っている人は骨密度の急激な減少が予防できるということがわかっているのです」(小山医師)


















