(1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

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 けれど、いつも「大丈夫、大丈夫だから」「杖が必要だなんて先生(通院している整形外科)は言っていない」と拒否し続け、さらに強く言おうものなら露骨に嫌な顔をしてそっぽを向く始末。矜持というより意固地、頑固だった。

 もちろんおかんの言うことが正しいのか確認すべく、主治医に確認しに行ったことがある。答えは案の定「転倒の危険があり、人混みは特にリスクが高いので杖を使いましょうとお話ししています」だった。それでもおかんは知らぬ存ぜぬ、必要ないを貫き通していた。

 買い物もそう。実家まで私なら車で1時間、兄なら20分で着ける。「行く用があるなら車で連れていくから連絡して」。何度も話していたのに決まり文句の「大丈夫、大丈夫だから」。頼ろうとしない。

 なるべくしてなったとはこのことだが、高齢者の転倒は要介護になるきっかけとして大きな割合を占めている。すぐに体の状態を調べるべく兄に連絡し、近隣の病院に救急で連れていくよう手はずを整えた。結果は夜にはわかるだろう。

【連載】シニアな息子と母の介護物語

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