(4)仕組みで「救命」…関西万博はAEDが150台設置されていた
4件の心停止事案においてAEDによる除細動を現場で行い、心拍再開が得られたことが共有されています。
万博のような大規模会場では、「配置」と「仕組み」が結果を左右します。救命が「偶然その場に詳しい人がいた」ではなく、“仕組みとして動く”未来が形になり始めています。2005年の愛知万博(愛・地球博)では、会期中に5件の心停止が起き、そのうち4件でAEDが使用され、4人全員が社会復帰したと報告されています。巨大な会場であっても、適切な配置と市民の行動があれば命は救える──その事実を示した象徴的な事例です。
現場で大きいのが、女性へのAED使用のハードルです。服を開けることへのためらい、誤解への不安。結果として女性にはAEDが使われにくい現実があります。最近は女性への配慮キットなど、“ためらいを減らす工夫”も少しずつ広がっています。救命は装置だけでなく、安心して動ける環境づくりでも支えられます。
千葉市立海浜病院・救急科統括部長の本間洋輔先生はこう話します。
「AEDは置くだけでは意味がありません。“3分以内に使える場所にあること”、そして“動ける人がいること、動ける人を増やすこと”が、救命率を左右します。誰もが最初の一歩を踏み出せる社会が大切です」


















