名医に聞く「変形性股関節症」手術の最新情報

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「たとえば人工股関節の骨頭は、従来使用されてきた直径28ミリ以下よりも、新たな36ミリの方が脱臼しにくい。新たな構造で二重の可動面を持つデュアルモビリティー型はさらに脱臼しにくい。人工股関節の設置精度は脱臼リスクに非常に大きく関連している因子ですが、3Dテンプレート、術前シミュレーション、術中ナビゲーション、ロボット支援手術の登場で精度が上がりました。ロボット支援手術とフリーハンドを比較した研究では、ロボットの方が設置位置の精度が約3倍高いと報告されています」

 手術のアプローチは「前方アプローチ(あおむけの姿勢で太ももの前側からアプローチする方法)の方が、後方アプローチ(お尻側からアプローチ)より脱臼リスクが低い」と報告されている。ただ一方で、国際的な医学誌には、それを否定する論文も掲載された。

「前方アプローチには後方アプローチにはない合併症もあります。インターネットの情報などから『前方がいい』と決めて来院される患者さんもいますが、大切なのは人工股関節を正確な位置に入れることで、手術アプローチだけに偏りすぎるべきではない。脱臼関連因子は複数ありますので、『ロボット支援手術がいい』『前方アプローチがいい』など1因子への対策ではなく、総合的に減らしていくことが求められます。そういう意味では、人工股関節の手術件数が多く、治療に慣れている施設の方がいいでしょう」

 手術を考えるタイミングは、「何かを持たないと椅子から立ち上がれない」「杖なしでは歩けない」となった時。歩行能力が落ち、筋力が低下してから手術を受けると、十分な回復が望めない可能性もあることは押さえておきたい。

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