早期乳がんで「どうしても切りたくない」人の選択肢…BNCT=ホウ素中性子捕捉療法

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 一方、BNCTは、放射線が届く範囲、具体的には皮膚表面から深さ6センチ以内くらいまでのがんが対象条件の一つとなる。解剖学的に乳房は体表に近く、乳がんは十分に対象範囲に入る。

■増殖能の強い乳がんに効果が高い

「BNCTは、中性子線という放射線を用いた治療法です。増殖能の強い乳がんに効果が高く、特に早期乳がんの中でもラジオ波焼灼療法が適応にならない『浸潤乳がん』がBNCTの良い適応になります」(植松室長=以下同)

 BNCTは、まずアミノ酸の一種にホウ素が結合した薬剤BPAを点滴投与する。乳がんにはアミノ酸を取り込む栄養供給ルート(LAT1=ラットワン)が豊富にあり、そこを通じてBPAが大量に取り込まれる。

「次に体外から中性子線を照射すると、乳がん内のBPAのホウ素が中性子線を吸収し、ホウ素と中性子線の核反応で強力なエネルギーが放出され、がん細胞が破壊されます」

 放射線治療は、がん周辺の正常細胞にも放射線があたる点がネック。かなり進化を遂げ、正常細胞のダメージを抑えられるようにはなっているものの、体への負担はある程度生じる。その点、BNCTは、ホウ素が存在する場所へ中性子線が集中する。正常細胞には、がん細胞にあるような栄養供給ルートLAT1が非常に少なく、薬剤BPAがほぼ取り込まれない。つまり正常細胞にはホウ素がほぼないため、中性子線が当たっても通過するだけだ。

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