(1)社長が独白!創業90年の米屋はなぜ閉店せざるを得なかったのか
小さな奇跡が起きたのは、その帰り道である。墓地がある山の中腹に、高さ5メートルほどの鳥居がある。そこには運試しの伝承があった。道端に転がる石を投げて、上に乗れば「うまくいく」というものだ。鳥居の上にはすでに「先客」がひしめいていて、非常に難しい挑戦である。案の定、石は全く乗らなかった。形の良い石もなく、乗りそうにもなかった。
しかし、それを最後と定め投じた石は、磁石で吸い寄せられるように鳥居の上に鎮座した。それは、自分を納得させたかった心が起こした必然かもしれなかったが、吹っ切れた私は翌日未明、幅2メートルの大きなポスターをシャッターに張り出した。3月24日のことだった。 (つづく)